紫陽花(アジサイ)は、日本に古くから存在し、青、紫、ピンクなど、多彩な色の花を咲かせます。
西洋アジサイや額アジサイといった様々な種類が存在し、それぞれが異なる雰囲気を持っています。
広く「アジサイ」として知られるこの植物には、数々の愛称があるのをご存知でしょうか?
これから、紫陽花の愛称とその由来について、詳しくご紹介します。
紫陽花には多くの愛称があります。
梅雨の季節に最も美しい姿を見せる紫陽花は、日本で非常に人気のある植物です。
これらの愛称を知ることで、紫陽花の魅力が一層深まります。
それでは、紫陽花の愛称を一つずつ見ていきましょう。
紫陽花の愛称とその由来
紫陽花の愛称1 七変化(しちへんげ)
紫陽花の魅力の一つは、その多彩な花色です。
多くの植物が品種によって花色が異なる中、紫陽花の花色は土壌の酸性度やアルカリ度によって変わります。
酸性が強い土壌では青紫色、アルカリ性または中性の土壌では赤色に傾くことが多いです。
日本の土壌が酸性に傾くため、青系の紫陽花が頻繁に見られます。
「七変化」という愛称は、紫陽花の変化に富んだ色彩から来ており、その多様性を象徴しています。
ちなみに、ヤマアジサイには「七変化」という品種も存在します。
これは比較的低めの草丈で、他の植物と組み合わせて楽しむことができます。
紫陽花の愛称2 八仙花(はっせんか)
紫陽花は、その変わりゆく花色から「八仙花」とも呼ばれることがあります。
元々は中国で使われていた呼称で、後に日本でもこの名前で呼ばれるようになりました。
変化に富む美しい紫陽花には、非常にふさわしい名前ですね。
紫陽花の愛称3 四片(よひら)
紫陽花の花に見える部分の大部分を占めるのはガクで、これが四つ集まっているため「四片」と呼ばれます。
他の多くの花が五枚の花びらを持つ中で、紫陽花は四枚のガクを持っています。
俳句では「四葩」としても表現され、夏の季語として用いられます。
紫陽花の愛称4 手鞠花(てまりばな)
「手鞠花」という愛称も紫陽花に用いられ、丸みを帯びたその形状から名付けられました。
手鞠は、糸を巻いて作る昔からの日本の玩具です。
丸い形のテマリ咲きの紫陽花は、日本でも特に人気があります。
紫陽花の別名5 またぶりぐさ
「またぶりぐさ」とも称されるアジサイについて、室町時代の「言塵集(ごんじんしゅう)」という歌学書ではこの名で言及されています。
かつて、地方によってはアジサイの葉を現代のトイレットペーパーのように利用していたとされ、その起源になっていると考えられます。
紫陽花の別名6 オタクサ
アジサイの一別名「オタクサ」について、これはその特徴から来ているわけではありませんが、広く知られています。
江戸時代末期に長崎に来たドイツ人医師シーボルトがアジサイを特に愛好しました。
彼が「お滝さん」という日本女性と恋に落ちたことが、「オタクサ」という名の由来とされています。
長崎で古くから親しまれていたアジサイは、鎖国中の日本においてシーボルトによってヨーロッパに紹介され、「オタクサ」として知られるようになりました。
今も長崎では毎年5月から6月にかけて「長崎おたくさまつり」が開催され、市内各地でアジサイが楽しめます。
紫陽花の別名7 額花(がくばな/がくのはな)
「額花」はガクアジサイのもう一つの名前で、小さい中心部分が花本体で、その周囲をガクが覆っています。
このガクが額縁に似ているため、ガクアジサイと呼ばれるようになりました。
紫陽花の別名8 本紫陽花(ほんあじさい)
園芸種として育てられるガクアジサイの原種を「本紫陽花」と称することがあります。
ガクアジサイと区別するために、一般的に本紫陽花と呼ばれています。
もともとガクアジサイが品種改良されてアジサイが誕生しましたが、今では「アジサイ」と言えば本紫陽花を指すことが多いです。
紫陽花の漢字の意味や由来
アジサイは漢字で「紫陽花」と表され、この名前は平安時代にさかのぼりますが、実は歌人源順が花名を誤解したために生じた名前です。
白楽天の詩に登場する紫陽花を源順がガクアジサイと勘違いしたため、この名前が付けられました。
その後、アジサイは日本で「八仙花」とも呼ばれるようになり、これは中国での呼称が由来です。
アジサイという名は「あづさい」が変化したもので、青色の小花が集まる様子を表しています。
「集真藍」とも書かれるこの花は、その名を知ることでさまざまな別名も覚えやすくなるでしょう。
【まとめ】紫陽花の別名も覚えてみよう
アジサイの別名とその起源について述べました。日本では広く知られるアジサイですが、これだけ多くの別名があるとは驚きですね。
アジサイは地植えにも鉢植えにも適しており、その育てやすさから母の日の贈り物にも選ばれます。
これらの別名の背景を知ることで、新たな別名にも親しみやすくなるはずです。
機会があれば、ぜひこれらの別名も覚えてみてください。