昔、野辺地湊で北前船が賑わっていた時代、関西地方から多くの物資と共に様々な文化や風習がこの地にもたらされました。
その中に、祗園まつりが含まれており、そのお囃子が京都の祗園祭に似たメロディを持つのはこの影響です。
この祭りは4日間続き、初日には八幡宮へ大しめ縄を奉納する儀式があり、2日目には色とりどりの衣装を身にまとった子供たちが祗園囃子を奏でながら、歌舞伎や中国の古典をテーマにした華やかな山車が町中を巡行します。
3日目には海を渡る神事が行われ、4日目の締めくくりには山車が再び集結して運行され、町全体が祭りムードに包まれます。
野辺地祇園祭2024日程や場所など基本情報
「のへじ祇園祭」は青森県上北郡野辺地町で毎年8月中旬に開催される、地元の夏の名物イベントであり、数多くの観光客がこの時期に集まります。
2024年には8月22日(木)から25日(日)までの4日間、野辺地町では「のへじ祇園祭2024」が行われる予定です。
祭りが始まる8月22日(木)には、午後3時から4時までの1時間、11メートルの長さと約1.5トンの重さを持つ大しめ縄が八幡宮へ捧げられる「しめくくり」儀式が実施されます。
地元の男性たちが協力してしめ縄を持ち上げる光景は、非常に力強く見どころの一つです。
続く8月23日(金)には、午後1時から駅前広場で祇園囃子や神楽、そしてささ踊りが披露され、午後2時35分からは野辺地八幡宮まで山車が練り歩く「初日山車合同運行」が開催されます。
8月24日(土)には、午前10時からの海上渡御を始め、午後1時から5時まで地元の団体が主催する自主運行が展開されます。
祭りのクライマックスである8月25日(日)には、午後1時に野辺地八幡宮から出発する山車が「最終日山車合同運行」を行い、盛大にフィナーレを迎えます。
こうして4日間にわたり行われる「のへじ祇園祭」は地域の伝統と文化を今に伝える重要な行事です。
【開催期間】
2024年8月22日(木)~8月25日(日)
【会場】
野辺地八幡宮・神明宮
青森県上北郡野辺地町
【スケジュール】
●8月22日(木)
15:00~16:00 しめあげ
16:00~ 宵宮祭 野辺地八幡宮
16:30~ 宵宮 野辺地八幡宮・新明宮
●8月23日(金)
初日山車合同運行
13:00~ 駅前広場にて:祇園囃子・神楽の共演・ささ踊り・表彰式
14:35~ 駅前出発:駅前~鳴沢~下町~本町~八幡宮前
●8月24日(土)
海上渡御
10:00~ 表彰式・神楽の共演
11:00~ 出港予定、常夜燈公園
13:00~17:00 町内自主運行
●8月25日(土)
13:00~16:00 最終日山車合同運行
常夜燈公園~浜町~新道~城内~上袋町~中袋町~下袋町~本町
野辺地祇園祭2024歴史や由来に山車運行・祇園囃子や海上渡御など見どころ
野辺地祇園祭は、869年に京都で発生した一大事にその起源を持ちます。
当時、京都では疫病が猖獗を極め、多くの命が奪われていたため、八坂神社の神輿を担ぎ、災難除去の祈りを捧げることになりました。
その際、日本各地の数に基づいて66本の鉾が立てられたのが、京都祗園祭の始まりです。
江戸時代に入ると、この祭りは国内で広く知られるようになり、多くの地域でその影響を受けた祭りが開催されるようになりました。
特に北前船の航路にあった地域では、京都から山車や囃子の道具が運ばれ、野辺地町がその中継地となりました。
当時の野辺地町は南部藩の主要な商港であり、ここから各地に文化が広がっていきました。
野辺地祇園祭の起源となる具体的な年代は明確ではありませんが、明治初期から始まったとされています。
以下、2024年の野辺地祇園祭の見どころを紹介します。
●大しめ縄奉納
8月22日(木)の祭り開始日には、長さ11m、重さ約1.5トンの大しめ縄を八幡宮に捧げる「しめくくり」が行われます。この力強い奉納は見る人々に深い印象を残します。
●山車合同運行
野辺地祇園祭の山車は二層構造で、一階で稚児が祇園囃子を奏で、二階で豪華な人形山車が飾られます。8月23日(金)と25日(日)には、町を練り歩く山車の合同運行が行われ、その華やかさが際立ちます。
●囃子
野辺地祇園祭では、笛、太鼓、鉦、鐘を用いた囃子が演奏され、その音色は京都祗園祭のそれと似ていますが、こちらは稚児によって奏でられます。
●海上渡御
8月24日(土)には、海上渡御が特色あるイベントとして開催され、船上での人形や囃子の掛け合いが行われるなど、独特の風情を楽しむことができます。
野辺地祇園祭2024アクセス
【会場】
野辺地八幡宮・神明宮
青森県上北郡野辺地町
【電車】
JR東日本野辺地駅から徒歩約10分
【車】
東北自動車道八戸ICから国道4号線を北上し約60分
野辺地祇園祭2024駐車場
以下の臨時駐車場が用意されています。
【野辺地町役場】
〒039-3131 青森県上北郡野辺地町野辺地123-1
野辺地祇園祭2024交通規制
交通規制はまだ発表されていません。
野辺地祇園祭2024まとめ
かつて盛岡藩の主要な商港であった地から伝わる、京都祇園祭に影響を受けた華麗なお祭りが続いています。
美しく装飾された稚児たちが祗園囃子を演奏し、華麗な山車が街中を巡ります。
祭りの初日には、大きなしめ縄を神社へ捧げる儀式が行われ、2日目と4日目には山車が集まり共に運行されます。
また、3日目(中日)の海上渡御では、神輿を乗せた御座船が先導し、大漁旗を掲げた船団が壮大に航行します。